オリジナルWeb漫画:不屈な父親奮闘記シリーズ 第2話
ある晴れた休日の朝。
父はふと、「たまには家事をして点数を稼ごう」と思い立つ。
「今日は俺が洗濯をしてお母さんを楽させてやるか!
まとめて洗えば節水だしな!」
意気揚々と洗濯物を抱え、洗濯機の前に立つ父。
シャツ、タオル、娘の服まで、すべてを一緒に入れて回そうとしたその瞬間――
「……混ぜるな危険。」
背後から冷たい声が響いた。
振り向くと、そこには腕を組んだ娘・優子の姿。
父は戸惑いながら聞き返す。
「え? 何が?」
すると優子は、父の手にあった靴下をつまみ上げ、真顔で言い放つ。
「お父さんの菌が、私の服に移ります。」
父は思わず目を見開く。
「き、菌って!!
俺はバイキンマンか!毎日働いてる汗と涙の結晶だぞ!」
しかし優子は一切動じない。
むしろ当然のように続ける。
「煮沸消毒が必要なレベルです。」
そう言うと、父の靴下をバケツにポイッと投げ入れた。
その様子を呆然と見つめる父。
いつの間にか、洗濯場には明確なルールが生まれていた。
父の洗濯物は、完全に別扱い。
家族の衣類とは混ぜてはいけない。
それが、この家の“新しい洗濯制度”だった。
「そんな……俺の服だけ隔離なのか……?」
肩を落とす父をよそに、優子はさっさと洗濯物を干し始める。
ベランダには、色鮮やかなシャツやTシャツが並んでいく。
しかし、その中に父の服はない。
父は遠くからその光景を眺めながら、小さくつぶやく。
「……俺の服だけ、乾きも悪い気がする……(涙)」
こうして父は、家庭内ヒエラルキーの中で、
ついに**洗濯物までも“隔離対象”**となってしまったのであった。
家事を手伝って点数を稼ぐはずが、
逆に自分の立場の低さを再確認する結果となった父。
だがこれは、父と娘の間で繰り広げられる
数々の家庭内ルールと理不尽な制裁の、まだほんの一幕に過ぎない。
今日もまた、この家では――
父のささやかな抵抗と、娘の冷徹なルールが静かにぶつかり合っている。


