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【不屈な父親奮闘記】第15話「DIYの達人」

オリジナルマンガ

【今回の見どころ】

今回のテーマは、「DIYで家族を喜ばせたい父の挑戦」です。

「今日は男の力を見せてやる!」

そう意気込んだ父は、ノコギリと金槌を手に、家族のための特製棚づくりに挑戦します。

ところが、家中に響くノコギリと金槌の音に、妻と娘は早くも苦笑い。

「ちょっと、うるさいわよ……」

それでも汗だくになって完成させた棚を、自信満々に披露する父。

「どうだ、この手作り感!味があるだろ?」

しかし返ってきたのは、どこか気を遣ったような

「……うん、まあ……」

という微妙な反応。

そして数時間後、父が目にしたのは、自信作がベランダで植木鉢置きとして静かに第二の人生を歩んでいる姿でした。

「……俺の傑作が……」

という父の切ないひと言には、思わず笑いながらも胸が締めつけられます。

一生懸命作ったからこそ少し報われない――そんな”父あるある”を描いた、笑いと哀愁が詰まった一話です。

【本文】

ある日曜日の朝。
父はテレビを見ながら、ふと過去の出来事を思い出していた。

最近、家族サービスは空回りし、休日の居場所もなく、
家族からの評価もいまいち上がらない。

「よし……今日は違う。
男の力を見せてやる!」

そう決意した父は、工具箱を取り出した。
今日のテーマは――**DIY(日曜大工)**である。

ノコギリと金槌を手に取り、父は得意げに宣言する。

「見てろよ。
パパ特製の棚を作ってやる!」

しかし作業が始まると、家の中に響き渡ったのは――

「ギコギコギコ……!」

「ドカカカカ!」

想像以上の騒音と振動だった。

木材を切る音、金槌で釘を打つ音。
まるで工事現場のような音がリビングに鳴り響く。

妻と娘は思わず耳をふさぐ。

「ちょっと、うるさいわよ……」

「パパ、近所から苦情くるよ……」

それでも父は止まらない。
汗だくになりながら作業を続け、ついに完成の瞬間が訪れる。

「よし!できた!」

父が誇らしげに持ち上げた棚。

しかし――

どう見ても歪んでいる。

棚板は微妙に傾き、
脚は少しガタガタしている。

それでも父は必死に笑顔を作る。

「どうだ、この手作り感!
味があるだろ?」

娘は少し困った顔で言った。

「……うん、まあ……」

しかしその反応は、どこか微妙だった。

数時間後。

父は窓の外をぼんやりと眺めていた。

そこには――
ベランダの端に置かれた、あの棚。

上には植木鉢や園芸用品が並べられている。

どうやら父の“自信作”は、
植木鉢置き場として再利用されたらしい。

父は静かにつぶやく。

「……俺の傑作が……」

冷たい風がベランダを吹き抜ける。

窓ガラス越しに、外へ追いやられた棚を見つめながら
父の背中には、またしても哀愁が漂っていた。

こうして父のDIYチャレンジもまた、
家庭内ヒエラルキーの壁に静かに敗れるのであった。

それでも父はきっと、次の休日も懲りずに立ち上がる。

なぜなら――
それがこの家の不屈な父親だからである。

【作者コメント】

DIYには、不思議な魅力があります。

「家族のために何か作ってあげたい。」
「自分の手で形にしたい。」

そんな気持ちで始めたものの、完成した作品への評価は、自分が思い描いていたものとは少し違う……。

今回のお父さんも、一生懸命作った棚を誇らしく披露しますが、家族の反応はどこか控えめ。それでも捨てられることなく、植木鉢置きとしてちゃんと使われているところに、この家族らしい優しさも感じられます。

完璧ではなくても、自分の手で作ったものには特別な愛着があります。

だからこそ、「俺の傑作が……」という父のつぶやきには、笑いだけでなく少し切ない気持ちも込めました。

『不屈な父親奮闘記』では、毎回少し不憫なお父さんを描いていますが、失敗しても、報われなくても、家族のために挑戦し続ける姿こそ、この作品の主人公らしさだと思っています。

DIYが好きな方も、そうでない方も、「うちのお父さんもこんなことしてたな」と思い出しながら、クスッと笑っていただけたら嬉しいです。