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【フリーター奮闘記】第24話『生成AI(思考の外部委託)』

フリーター奮闘記【マサシの物語編】

【今回の見どころ】

今回のテーマは、「AIへの依存は、便利さと引き換えに思考まで手放してしまうのか?」です。

「これからはAIに仕事を任せる時代。」

そんな記事を読んだマサシは、なぜか

「今日から俺は、一切の思考を放棄する」

という極端な結論にたどり着きます。

そこから始まるのは、AIに何でも判断を委ねる生活。

コンビニの業務中でさえ、

「次にやるべき最適行動を教えてくれ。」

と逐一AIへ相談する姿は、便利なツールを使いこなしているというより、完全に”思考停止モード”です。

特に印象的なのは、お弁当を温める場面。

500W指定のお弁当を1500Wの業務用レンジで温める時間をAIに計算させようとするマサシに対し、

「書いてある通りに温めろ!計算するな!」

という店員のツッコミは、この作品を象徴する名シーンです。

そして最大の見どころは、徹夜明けのお客様への対応。

ただ栄養ドリンクを探しているだけなのに、

AIの回答をそのまま読み上げ、

「労働基準監督署への相談」
「弁護士の手配」

という壮大なアドバイスに発展してしまう流れは、AIを”使う”のではなく”使われている”マサシを見事に表現しています。

最後にスリッパで叩かれた後ですら、

「AI、今の物理攻撃に対する慰謝料の相場を教えてくれ。」

と締めることで、最後まで一貫したキャラクターになっている点も、この作品ならではの魅力です。

【本文】

ある日、マサシはスマホの記事を読みながら深く頷いていました。

記事のタイトルは――
「これからはAIに仕事を任せる時代」

そこにはこう書かれています。

・AIは人間より速く判断できる
・AIは膨大な知識を持つ
・人間は“思考を外注”すべき

それを読んだマサシの目が光りました。

「そうか……」

「今日から俺は、一切の思考を放棄する」

「すべての判断をAIに委ねる」

マサシは新しい生き方を宣言します。

「これは脳のメモリを節約する“思考ハック”だ」

その日から、マサシはスマートイヤホンを装着し、AIの音声アシスタントに逐一判断を仰ぐ生活を始めました。

コンビニのシフト中も例外ではありません。

マサシはレジの前でスマホに小声で話しかけます。

「AI、次にやるべき最適行動を教えてくれ」

イヤホンから返答が流れます。

「承知しました。業務効率を最適化します」

その様子を見た店員は呆れ顔。

「……それ、ただ自分で考えるのが面倒くさいだけだろ」

しかしマサシは自信満々です。

「違う」

「これは“思考のアウトソーシング”だ」

やがてマサシのAI依存はさらに進みます。

ある日、弁当を温めようとしたときのこと。

マサシは弁当を手に取り、AIへ質問します。

「500W指定の弁当を1500Wの業務用レンジで温める場合の最適時間を計算してくれ」

横で見ていた店員が叫びます。

「書いてある通りに温めろ!」

「計算するな!」

しかしマサシはAIの回答を待っています。

完全にAIの指示でしか動けない人間になっていました。

そんなある日、常連客が疲れた様子で店に入ってきます。

「何か……徹夜明けに効く栄養ドリンクあるかな……」

ただそれだけの質問でした。

しかしマサシはイヤホンに小声で聞きます。

「AI、最適回答を」

イヤホンから音声が流れます。

マサシはそれを感情のない声でそのまま復唱しました。

「徹夜は労働基準法違反の可能性があります」

「直ちに労働基準監督署へ相談し、弁護士の手配を推奨します」

常連客は固まりました。

「えっ……?」

「いや……そこまで大事じゃ……」

完全にパニックです。

それを見ていた店員が叫びます。

「お客様の人生のコンサルまでAIにやらせるな!!」

そしてスリッパで――

スパーン!

マサシの後頭部を叩きました。

マサシは床に崩れ落ちます。

しかしそのままスマホに向かって言いました。

「……AI」

「今の物理攻撃に対する慰謝料の相場を教えてくれ」

こうしてマサシは最後まで、
自分の頭で考えることを完全に放棄し続けるのでした。

【作者コメント】

生成AIは、本当に便利な技術です。

私自身も、文章の整理やアイデア出しなど、日々助けられる場面がたくさんあります。

だからこそ今回の作品では、「便利だからこそ、使い方を間違えるとどうなるのか」という部分を、マサシらしく極端に描いてみました。

AIは答えを探す手助けはしてくれますが、最後に判断するのは人間自身。

それなのにマサシは、「考える」という行為までAIへ丸投げしてしまいます。

その結果、お弁当の温め時間から人生相談まで、何でもAI任せになってしまう姿は、便利さへの依存をコミカルに表現したかったポイントです。

最後の「慰謝料の相場を教えてくれ」というセリフも、どんな状況でもまずAIに聞こうとするマサシらしいオチとして描きました。

便利な道具は、使い方次第で最高の相棒にも、思考停止の原因にもなります。

そんな少しだけ現代的なテーマを、いつものマサシ節で笑いに変えた一話になっています。