【不屈な父親奮闘記】第27話「パパ、スマートホーム化を企む」

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ある日、パパは腰を押さえながら深いため息をついていた。重い買い物袋を持って階段を上がった瞬間、腰に激痛が走ったのだ。

「原因はこれだ……!」

パパは家の中を見渡しながら断言する。

「この時代遅れの生活が、俺の体を壊したんだ!」

ドアの鍵を手で回し、電気のスイッチを押し、リモコンで家電を操作する——そんなアナログな暮らしが腰痛の原因だと、パパは勝手に結論づけたのである。

そして翌日。
パパは意気揚々と巨大な段ボールをいくつも抱えて帰宅した。

中から出てきたのは、
スマートスピーカー、スマート電球、スマートロック、センサー機器など、最新のスマートホーム機器の山

「これこそが現代のパパの姿だ!」

パパは目を輝かせながら宣言する。
家族は呆然とその様子を見ていた。

数日後。

パパはノートパソコンを開き、ケーブルだらけの机の前で設定作業に没頭していた。

「よし……完璧だ……」

しかし、その結果は予想とは違う方向へ進んでいく。

パパがくしゃみをした瞬間——

ピカピカッ

リビングの照明が突然赤く点滅する。

「侵入者アラートだ!」

とパパは満足そうにうなずくが、家族はただ困惑するばかり。

さらに、冷蔵庫を開けると——

♪ジャーン♪

ベートーヴェンのクラシック音楽が大音量で再生される。

「料理の気分が盛り上がるだろ?」

パパは得意げだ。

しかしAIスピーカーは頻繁にこう答える。

「すみません、よくわかりません」

「すみません、理解できませんでした」

「もう一度お願いします」

その機械的な声が、家中に何度も響く。

数日で家は完全にテクノロジーのカオス空間になってしまった。

そしてある夜。

パパは最後の仕上げとしてスマホを取り出す。

「よし……ついに完成だ!」

おやすみモード起動!」

カチッ。

家の照明が一斉に消え、玄関や窓の鍵がすべて自動ロックされる。

「これで家中のセキュリティは完璧だ!」

パパは満足そうに頷く。

しかし、その直後。

「……あ」

パパはお腹をさする。

「夜食買うの忘れてた」

パパはコンビニへ向かうため玄関を出た。

数分後。

コンビニ袋をぶら下げて帰宅したパパは、玄関の前で立ち止まる。

ガチャ。

ガチャ。

ドアが開かない。

「……あれ?」

パパはスマホを操作する。

しかしスマートロックはびくともしない。

「AIさん、ドア開けて」

沈黙。

「AIさん?聞こえてる?」

無情な音声が返ってくる。

「すみません。よくわかりません」

深夜。

家の前でスマホに向かって必死に話しかける不審な中年男性。

「お願いだ……開けて……」

その様子を見た近所の住民が通報した。

数分後、警察官が到着する。

「こんな時間に何をしているんですか?」

パパは震える声で答える。

「……自分の家に、入れないんです」

こうしてパパのスマートホーム計画は、
最も原始的な結果を迎えたのだった。

※この後、パパは本当に警察に通報されました。