オリジナルWeb漫画:不屈な父親奮闘記シリーズ 第7話
仕事を終え、空腹を抱えて帰宅する父。
玄関の扉を開けながら、ふと頭に浮かんだのは今夜の夕食だった。
「今日のご飯はハンバーグかな?
それとも唐揚げ? 楽しみだなぁ!」
一日働いた後の夕食は、父にとって何よりの楽しみ。
特に肉料理の日は、朝から密かに期待してしまう。
そしてリビングに入ると、テーブルの上には――
香ばしい匂いを漂わせるハンバーグが並んでいた。
思わず顔がほころぶ父。
「うーん、足りるかな」
しかし席に座った瞬間、父はある違和感に気づく。
妻と娘の皿には、ふっくらとした立派なハンバーグ。
付け合わせの野菜も彩りよく添えられている。
だが、父の皿に乗っていたのは――
明らかに小さい。
いや、むしろ“ミニチュアサイズ”と言ってもいいほどの
かわいらしいハンバーグだった。
父は思わず目を丸くする。
「え……?」
その視線に気づいた娘・優子が、静かに言う。
「お父さんは健康のためにミニサイズです。」
さらに追い打ちをかけるように母も続ける。
「野菜も残さず食べてくださいね。」
父は皿を見つめながら、戸惑う。
「いや……それにしても……
ちょっとサイズが違いすぎないか……?」
しかし家族はまったく気にしていない。
妻と娘は大きなハンバーグを美味しそうに食べ始める。
ナイフが入るたびに肉汁があふれ、
食卓には幸せそうな空気が広がっていく。
一方、父の皿の上にあるのは
静かに佇む小さなハンバーグ一枚。
父は箸を持ちながら、ぽつりとつぶやく。
「……俺の体は……?」
妻はにこやかに答える。
「そんなに栄養がいいのかしら?」
その言葉に、父の肩はさらに落ちる。
家族の健康を思った“配慮”なのか、
それともただの食料配分なのか――
真実は誰にも分からない。
こうして父はまた一つ、
家庭内ヒエラルキーの厳しい現実を思い知らされるのだった。
小さなハンバーグを口に運びながら、父は静かにつぶやく。
「そんなに栄養がいいのか……?(涙)」
今日もまた、この家の食卓では
父のささやかな期待が、静かに試されているのである。


