オリジナルWeb漫画:サラリーマン奮闘記シリーズ 第4話
【今回の見どころ】
今回のテーマは、「努力は、必ず誰かが見ている」です。
何週間もかけて企画書を完成させたショウと、それを支え続けたタケル。しかし、その成果を横取りしようとした斎藤課長が、全体会議で「自分の企画です」と堂々と発表してしまいます。
ところが最後のスライドに残されていたのは、「ショウが作成し、タケルが監修した【草案】です。課長、フィードバックをお願いします!」という決定的な一文。
中身を確認せずに手柄だけを奪おうとした課長は、その場で自らの行動を証明してしまいます。
そして社長からの「君のフィードバックはどこにあるんだね?」という一言は、この物語最大の見どころ。悪意でやり返すのではなく、事実が真実を語る展開に、思わず胸がスッとする一話です。
最後にショウとタケルが交わす小さなガッツポーズには、二人が積み重ねてきた努力が報われた喜びが詰まっています。
【本文】
入社3年目の後輩・ショウは、ここ数週間ずっと新規プロジェクトの企画書づくりに取り組んでいた。昼間は通常業務をこなし、夜は会議室に残って資料を作る日々。市場調査、競合分析、収益シミュレーションまで細かくまとめたその企画書は、まさにショウの努力の結晶だった。
そんなショウの姿を見ていたのが先輩のタケルである。
タケルは仕事終わりに何度も相談に乗り、企画の構成を整理し、プレゼン資料の見せ方までアドバイスした。
「ここは数字をグラフにした方が伝わるな」
「このアイデア、かなり面白いと思う」
二人で何度も修正を重ね、ようやく完成した企画書。
ショウは緊張しながらも、ついにそれを斎藤課長へ提出する。
しかし、その瞬間だった。
「ほう……新規プロジェクトの企画書か」
斎藤課長はそれを手に取ると、当然のように言った。
「俺が最終チェックして、部長に通しておいてやる」
そして意味ありげに付け加える。
「ありがたく思えよ」
嫌な予感はしていた。
そして数日後。
その予感は現実になる。
全体会議の場で、壇上に立っていたのは――斎藤課長だった。
スクリーンには「新規プロジェクト企画書」のタイトル。
その内容は、どう見てもショウの企画書そのものだった。
斎藤は胸を張って語る。
「今回のプロジェクトは、私、斎藤が長年の経験を元に考案しました」
会議室の後ろで、ショウは唇を強く噛む。
タケルも拳を握りしめる。
さらに斎藤は得意げに言う。
「俺の若い頃はな、上司の手柄は部下の喜びだったもんだ!」
完全な開き直りだった。
スライドは順調に進む。
市場分析、利益予測、実行スケジュール。
しかし――
プレゼンがクライマックスに差しかかり、斎藤が誇らしげに叫ぶ。
「以上が、私の提案です!」
最後のスライドが表示された瞬間。
会議室の空気が凍りついた。
スクリーン中央に、巨大な赤文字が表示されていた。
『※本資料は、入社3年目・ショウが作成し、タケルが監修した【草案】です。
課長、フィードバックをお願いします!』
会議室が静まり返る。
「あ、あれ……?」
斎藤課長の顔がみるみる青くなる。
「な、なんだこれは……!」
その時、社長がゆっくりと口を開いた。
「なるほど」
「ショウ君とタケル君の企画というわけだ」
そして微笑みながら言う。
「素晴らしい出来だ」
少し間を置いて、続けた。
「……で、斎藤君」
「君の“フィードバック”はどこにあるんだね?」
斎藤課長は完全に言葉を失った。
中身を確認すらしていなかったことが、完全に露呈してしまったのだ。
会議終了後。
ショウとタケルは廊下で顔を見合わせる。
そして、小さくガッツポーズを交わした。
タケルは心の中でつぶやく。
(……中身を見てないの、バレバレですよ)
こうして“手柄泥棒”は、
自分の手柄で自爆するという見事な結末を迎えたのだった。
【作者コメント】
仕事をしていると、「頑張った人が必ず報われる」とは限らない場面があります。
自分が考えたアイデアが別の人の手柄になったり、陰で支えた努力が評価されなかったり……。そんな経験をしたことがある方もいるのではないでしょうか。
今回のエピソードでは、ショウの努力とタケルのサポートが、一枚のスライドによって正しく評価される瞬間を描きました。
印象的なのは、二人が感情的に反論したわけではないことです。事実をきちんと残していたからこそ、真実が自然と明らかになりました。
仕事では、成果だけでなく、その過程や記録も大切です。誰が考え、誰が作り、誰が改善したのかを明確にしておくことは、自分自身を守ることにもつながります。
一方で、斎藤課長のように「確認もせず、自分の手柄にしてしまう」姿勢は、信頼を失う一番の近道なのかもしれません。
努力は、すぐには報われないこともあります。しかし、誠実に積み重ねた仕事は、いつか必ず誰かが見ています。
ショウとタケルの小さなガッツポーズは、勝ち誇るためではなく、「頑張ってよかった」と素直に思えた瞬間だったのでしょう。
次回も、理不尽に負けず、誠実に仕事へ向き合うタケルたちの成長を、ぜひ温かく見守っていただければ嬉しいです。


