【不屈な父親奮闘記】第11話「ペットの乱(序列の証明)」

オリジナルマンガ

ある日、我が家に新しい家族がやってきた。
ふわふわの毛並みとつぶらな瞳を持つ、愛犬「ポチ」である。

母と娘は大喜び。
家の中はすっかり歓迎ムードに包まれていた。

しかし父は、少し違う気持ちでその様子を見ていた。

「ふふ……犬か。
まあ、この家の主は俺だからな。

父は自分こそが一家の大黒柱であり、
当然ながらポチにとっても“威厳ある飼い主”になるはずだと考えていた。

そして帰宅した父は、満面の笑みでポチに近づく。

「ただいま、ポチ!
お父さんが帰ってきたぞ。よしよし、お手!」

しかし次の瞬間――

「ガルルッ!」

ポチは歯をむき出しにして唸り声をあげた。

父は思わず後ずさる。

「ひぃっ!?
なんで俺にだけ吠えるんだ!?」

その様子を見て、母と娘はなぜか笑っている。

優子は静かに説明する。

「犬は賢いので、群れの順位を本能的に見極めるんです。」

父は嫌な予感がする。

「……どういう意味だ?」

すると優子は、ポチの頭を撫でながら淡々と言った。

「ポチにとって、お父さんは**自分より下の“部下”**なんですよ。」

父は目を見開く。

「部下……!?」

どうやらこの家では、
すでにポチの中で家庭内ヒエラルキーが確定していたらしい。

母と娘が上位。
その次にポチ。

そして――

最下層が父。

その夜。

ポチはふかふかの犬用ベッドで気持ちよさそうに眠っていた。

一方、その横の床には、父が小さく丸まって横になっている。

父は犬小屋のベッドを見つめながら、静かにつぶやく。

「……俺の寝床より……
犬小屋の方がフカフカだ……(涙)」

こうして父はついに、
言葉の通じない動物にすら格下認定されるという現実を突きつけられたのであった。

今日もまたこの家では、
父のささやかな威厳が、静かに崩れ去っていくのである。