深夜のコンビニ。
レジに立つフリーター・マサシは、淡々とバーコードを通しながら、心の中で自分に言い聞かせている。
「今は社会を観察している期間」
「この経験は将来、絶対役に立つ」
――これは寄り道ではない。準備期間だ。
しかし現実は甘くない。
やたらと話しかけてくる常連客に捕まり、
年下の新人バイトから敬語で話しかけられる微妙な屈辱。
さらに弁当の温め忘れで客に怒られ、マサシのメンタルは削られていく。
バイト明け、すっかり打ちのめされた帰り道。
ふと見上げると、空はきれいな朝焼け。
その景色を見た瞬間、なぜか前向きになるマサシ。
「今日も社会を生き抜いた」
小さくそうつぶやき、家へ帰る――が、
帰宅直後、スマホに表示される家賃引き落とし通知。
マサシは画面を見つめ、静かに思う。
「……俺は、まだ本気出してないだけだ」


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