【不屈な父親奮闘記】第14話「パパの休日」

オリジナルマンガ

一週間の激務を終えた日曜日の朝。
父はソファに深く腰を沈めながら、固く決意していた。

「今週は疲れた……。
今日は一歩も動かないぞ!」

テーブルの上にはポテトチップスと缶ジュース。
テレビのリモコンも手の届く場所に置き、完全に“休日モード”である。

ようやく訪れた安息の時間。
父にとって、家のソファは小さな城のようなものだった。

しかしその平和は、わずか数分で終わりを告げる。

「ちょっと、そこ掃除機かけたいからどいて!」

妻の声とともに掃除機が唸りを上げる。
ソファの前までホースが迫り、父は慌てて立ち上がる。

「えっ、あ……はい……」

さらに追い打ちをかけるように娘がやって来た。

「パパ邪魔ー。
これ畳んでおいてね。」

ドサッと頭の上に積まれる大量の洗濯物。

「えっ……あ……はい……」

結局ソファの城は、わずか数分で陥落してしまった。

居場所を失った父は、逃げるように庭へ向かう。
しかし外では子どもたちが元気に遊び回り、ベランダには近所の視線も気になる。

「……俺の安息の地は……どこにもないのか……?」

父は家の中をさまよい歩く。
リビングもダメ、庭も落ち着かない、ベランダも居心地が悪い。

そして夕方――。

父がたどり着いた場所は、自宅の駐車場だった。

自分の車のドアを開け、シートを倒し、缶コーヒーを一口。

「ふぅ……」

静かな車内には、誰にも邪魔されない空間が広がっていた。

父は遠くを見ながら小さくつぶやく。

「ここが……一番落ち着く城だなあ……」

その頃、家のリビングでは――

窓の外を見た妻と娘が、車の中の父を発見する。

「……何やってるの、あの人?」

冷ややかな視線が父に注がれる。

しかし父は気づかない。
静かな車内で、ようやく訪れた“休日”を味わっていた。

こうして父はまた一つ、
家庭内での自分の居場所を静かに見つけたのである。

それは――
家の外にある、小さな四輪の城だった。