【不屈な父親奮闘記】第6話「お風呂の乱」

オリジナルマンガ

仕事を終え、いつもより少し早く帰宅した父。
疲れた体を伸ばしながら、心の中で密かに決めていた。

「今日は早帰りだ!
久々に一番風呂を頂くとしよう!」

一日の疲れをゆっくり湯船で癒やす――
それは父にとって、ささやかながらも大切な贅沢だった。

タオルを肩にかけ、上機嫌で浴室へ向かう父。
しかし、その扉の前に立った瞬間――

目の前には、腕を組んだ娘・優子が立っていた。

「却下します。」

あまりにも冷たい一言に、父は思わず固まる。

「え……?」

優子は淡々と説明する。

「お母さんと私はこれから半身浴でデトックスの時間です。
お父さんはその後、最後です。」

父は思わず声を上げる。

「な、なんだって!?
今日は俺が一番風呂のはずだろ!」

しかし優子はまったく動じない。

「我が家のルールです。」

どうやらこの家には、父の知らない鉄の掟が存在していたらしい。

それは――
美容と健康を最優先にするための“女性優先制度”。

さらにもう一つの理由があった。

「“汚染防止”です。」

その言葉に、父は大きくショックを受ける。

「お、俺はそんなに汚れているのか……?」

だがルールは絶対。
父はリビングのソファで、ただひたすら順番を待つしかなかった。

時計の針は進み、
30分……
1時間……
さらに時間は過ぎていく。

「……女風呂はなんでこんなに長いんだ……」

疲れた体でソファに沈み込みながら、父はぼんやり天井を見上げる。

そしてようやく、浴室のドアが開いた。

「どうぞ。」

その言葉に、父は急いで浴室へ向かう。

だが、湯船に入った瞬間――

「……ぬるい……」

追い焚きは禁止。
節約のため、残り湯の温もりを感じてください――
それが優子の最後の一言だった。

湯船の中で肩をすぼめながら、父は静かにつぶやく。

「……ぬるい……(涙)」

こうして父はまた一つ、
家庭内の厳しいルールと現実を思い知らされるのであった。

だがこれは、父と娘の終わりなき家庭内攻防のほんの一幕に過ぎない。

今日もまたこの家では、
父の小さな願いが静かに試されているのである。